DogSalonRuru の板橋夕香です!
私は幼い頃から動物好きで、近所中のわんちゃんを飼ってる家に行っては
話しかけ(当時は外飼いわんちゃんが多かったんです)、私はわんちゃんと心が通じるんだ!と勝手に思い込み、
「また来るね!!」とウキウキで帰宅するような女の子でした笑
専門学校卒業後、地元のペットショップで
トリミングはもちろん、ペットホテル、物販、ブリーディングお手伝い業務をしていました。
毎日たくさんのわんちゃんをトリミングし
接していくと暴れる、唸る、噛む、震える、失禁する、
チアノーゼになる、パニックになるようなわんちゃんが多くいました。
どうしてこの子たちは
トリミング中じっと大人しくしていてくれないのか?わんちゃんが大好きでこの仕事に就いたのに、
優しくしたいという気持ちとは
裏腹に、抑えたり、口輪をしたり、格闘しながらトリミングをしては帰宅してから後悔する日々。
そしてある日1頭のわんちゃんが初めて来てくれました。
最初はカットも落ち着いていて、フレンドリーでどこを触られても嫌がらない
お利口さんだった可愛いわんちゃん。
しかし次第に私がブラシを持つだけで逃げたり、暴れ、顔を触ると、牙を剥き出して唸り威嚇し豹変、そして手にも噛みついてきました。
「前まで良い子だったのに、私が担当したせいで
トリミングを嫌いになってしまった…」
「たくさん褒めてるけどもしかして、私のトリミングって知らないうちに嫌なことをしているの…?」
「ずっとこんなに抵抗するトリミングをさせたくない、どうにかして
嫌がらないトリミングをしたい!」
そう思ったものの、
いくら考えてもその時の自分の知識と技術だけではどうしたら良いのか分からず…。
悩んでいるときに出会ったのが
その当時流行っていたSNSのコミュニティサイトで
「犬に優しいトリミング」を広めていたトリマーさんでした。
そのめちゃくちゃ優しいトリミング方法に衝撃を受けました。たくさん相談してアドバイスを貰い、
実際にわんちゃんに接していくと
少しずつですが噛むわんちゃんが落ち着いてくれたり、
パニックになるわんちゃんがゆっくり過ごせるようになったりととっても嬉しい変化が出ました。
そして、実際に会って見て学びたい。
「犬に優しいトリミング」をもっと知りたくなり、わんちゃんの気持ちが分かるトリマーになって
トリミング嫌いなわんちゃんを減らしたい!そう思うようになりました。
思い立つと即行動の私は、
犬に優しいトリミングを教えて頂いたトリマーさんの店舗研修に横浜へ行ったり
その方のセミナーがあれば、東京や仙台など何度も受講しました。
ブラッシング一つとっても
テーブルに乗せて、ブラッシングをする。当たり前なことですが、
まずはブラシの「匂い」を嗅いでもらい、チェックさせる
それからゆっくり、そっとブラシを体に当てる。抵抗がなければそのまま
ブラッシングを優しく優しく。また嫌がってしまうときは体にブラシを当てる。
これを繰り返すだけでも「ブラシ」に対する恐怖心が減ります。
なんて地道なお手入れ!と思いましたが
実際にブラッシング嫌いで逃げてしまう
わんちゃんにしてみると、ちゃんと匂いを嗅いで
体にブラシをポンと当てるだけのお手入れに
「?」
「痛くない」と
ブラシを見ても落ち着いてくれるようになりました。
今までは私はきっと
力の入ったブラッシングで、この子の皮膚が引っ張られて
痛かったんだなぁ…。だからあんなに抵抗していたんだね。ごめんね。。。
と深く反省…。
私はずっと、「褒めていれば伝わる!」
「おやつを与えていればお利口さんになる」
そう思い込んでいました。
でも、嫌がっているのは恐怖心や不安を持っているから。
それなのに他人から大げさに褒められるのは全く心に届かないこと。
おやつだってただ与えていれば良いというものでもないことを知りました。
「安心の中にあるトリミングでわんちゃんは落ち着くよ」
その言葉は今も思い返す言葉です。
たくさん学び、実践して私なりの優しいトリミング技術も出来つつありましたが、
当時はたくさんの頭数をこなし、時間に追われる日々。
本当にわんちゃんの気持ちに向き合った優しい時間は作れていなかったと思います。
そして、結婚し妊娠、出産。
自宅のお庭に小さなサロンを開業しました。
1日に何頭もトリミングは出来ませんが、目の前のわんちゃんの気持ちと向き合える環境になり
何年も犬に優しいトリミングを学び経験した技術のおかげで
わんちゃんが出してくるサインを今まで以上に気づくことが出来るようになりました。
当店に来てくれる子は、
他のわんちゃんが苦手、人見知り、怖がり、警戒心が強く、繊細、敏感な
心を持ったわんちゃんや
過去のトリミングトラウマを持っていたり、お手入れ苦手な子や、シニアのわんちゃんが多く通って頂いています。
私と初対面の頃は、やっぱりみんなドキドキ緊張しています。
お預かりしてすぐにシャンプーやブラッシングはせず、
一旦、自由に店内を探索してもらい、
ここがどういう場所か、私の匂いや声を確認してもらいます。
落ち着いたところで、抱っこ。お手入れに入ります。
お手入れ中もわんちゃんの表情や身体から出すたくさんのサインを
1つ1つ、受け取り、その子に合った方法でお手入れを進めます。
初日で心を開く子もいれば、まだまだ警戒心や恐怖心が強い子もいますが
通う度に
「この人、自分の気持ち分かってくれてる。」
「安心する」
「信用しても良いかな」と、
ちゃんと分かってくれるようになるわんちゃんたち。
例えば
触るだけで唸っていた子が、どこを触っても落ち着いていたり
緊張して立ってくれなかった子が、ゆっくり立っていてくれたり、
大嫌いだったはずの爪切りを、「あれ?痛くない!」と分かって
へっちゃらになる姿を見ることが本当に幸せで、この優しいトリミングをしてきて
心から良かった‼と実感する瞬間でもあります。
また、飼い主さんからは
・「ここのサロンに来る前は、帰宅してから体調崩して心配していたけど、
今では帰宅してからも食欲あって元気にしてるから安心して預けられる」
・「カット中も大人しくしているか不安で、預けるときに申し訳なく思っていたけれど
ここに通うようになって、トリミング中も落ち着けるようになった動画を見ると
預けるときのストレスもなくなった。出会えてよかった」
など、とても嬉しい言葉を頂いております。
。
シニアのわんちゃんも多く、若い頃はトリミング慣れていた子も
身体の衰えと共に、トリミングも立っていられなくなったり
「ここは触られたくない」など主張することがあります。
その時も「我慢してね、今まで出来たでしょう?」
ではなく
その子の身体の状態、心の状態をしっかり把握し受け止めて
テーブルではなくても、床にタオルやクッションを敷いてのトリミングや、
横になったり、座ったままで出来るトリミングをするなど
ハイシニアになっても持病があっても
生涯続くトリミングを安心し快適に過ごせるように気を付けてお手入れをさせて頂いております。
最後に、
わんちゃんの生涯って
人間と比べたら本当に短く、あっという間に過ぎて行きます。
家族同様に暮らすわんちゃんにとって、
トリミングは一生必要なもの。
何人もトリマーがいるサロンや他のわんちゃんがわんわん吠えている
トリミングサロンで落ち着いて過ごせるわんちゃんも、もちろんいます。
でも、わんちゃんの性格や個性は様々です。
その環境で過ごすことが難しいわんちゃんも多くいます。
DogSalonRuruはそんなわんちゃんの
受け皿のようなサロンでありたいと思っています。
来てくれるわんちゃんには
私の優しいトリミングを通して、安心を覚えてもらい穏やかな時間を過ごしながら
サラサラふわふわ、キレイになった身体を
大好きな飼い主さんに抱きしめてもらい撫でてもらえる、
たくさん褒められお散歩へ行ったり
おうちで遊んでもらったり
たくさんの愛情を貰って生活するわんちゃん。
心が満たされると、さらに大きな愛情と癒しを飼い主さんに与えてくれると思います。
「この子を家族に迎えて本当に良かった!」そんな言葉をかけられながら
シニアになってもサラサラの頭や体を撫でられるわんちゃんでいて欲しいなぁと思いながら
私はこれからもずーっと優しいトリミングを
一番大事にお仕事して行きたいと思います。
読んで頂きありがとうございました♪
DogSalonRuru
板橋夕香
1986年7月生まれ
トリマー歴14年
開業2014年12月5日
10歳、6歳、3歳の3児のママ。
ルル
2010.5.25生まれ
子供に優しく、超ママっこ。
シニアとは思えないほどの体力!
ボール投げと石ころ遊びが大好き^^
家族も大好き!
ロビン
2019年1月7日に保健所から迎えました。
お誕生日は2018年11月7日にしてます^^
警戒心強いけど、甘えっこで優しいにゃんこ。